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地球温暖化議論を冷静に検証する
b0024824_611137.gif地球温暖化は本当か? 宇宙から眺めたちょっと先の地球予測

矢沢 潔 (著)、技術評論社
¥1,659 (税込)


果たして地球温暖化は本当に進んでいるのか?
そうだとしてもそれは自然(長い気候サイクルの中)の揺らぎではないのか?
温暖化の原因は本当に二酸化炭素排出によるものなのか?

アル・ゴアの「不都合な真実」を観ることと併せて、現在の温暖化理論や認識に対する客観的な事実というものも我々はできるだけ知っておく必要がある。

ここ直近の「100年で約+1℃」という変化が、地球史的に見た数百万年~数千万年の間に繰り返されてきた温暖化と寒冷化の遷移の中で、自然の変動の範囲を越えた上昇であるのか、それが人間のせいなのか、その判断は難しい。
なぜなら、雲や降水などの気象現象、氷床の消長や海洋全体の大循環は、お互いに影響しあう複雑な因果関係に結ばれていて、人類はそのしくみを完全に解明しているわけではないからである。今さかんに言われている二酸化炭素による温室効果も、同様に複雑なメカニズムをなしており、地球温暖化への影響は実際のところまだよくわかっていない部分も多い。
そういう中にありながら、現在の微妙な温度上昇傾向は人為的な気温上昇であり、この原因は二酸化炭素の過剰排出によるものとする意見がすう勢であるというのが、今の地球温暖化議論なのである。

そしてこの書では以下の事実も指摘している。

・南極の氷と違い北極の氷が全て溶けても、海面は全く上昇しない。何故なら、北極は海に浮いた氷山であるため、氷全てが溶けても水の量に変化はないからである。
・地球の温度上昇により逆に南極大陸中心部の氷は厚くなっている。何故なら、温度上昇によって海面からの水の蒸発が起こるが、水蒸気を多く含んだ気流は寒冷な南極大陸に吹き込み、そこで冷やされて雪となり降り積もり大陸中心部の氷床の厚みは増す。その増える量は溶け出す氷床の量を超えている。
・地球上全体の温室効果ガスの中で一番大きな影響を与えているものは水蒸気(H2O)であり、その割合は75%~90%を占めている。二酸化炭素は、"人為的に排出される"温室効果ガスの中では現在一番影響を与えているものにすぎない。

しかし、北極の氷が溶けると、シロクマやペンギンたちの住む場所が無くなり生態系への影響がでることや、人為的活動の中で温暖化に一番影響を与えると言われている二酸化炭素排出量が増え続けていること等への懸念は人類として憂慮すべきことである。

地球環境予測の理論、技術に不確かさが多くあることは事実であるが、それは決して温暖化を過小評価してよいということではない。人間がコントロール可能な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を減らしていく取り組み自体は現状では間違いではないだろう。しかし我々は同時に、温暖化議論を二酸化炭素だけに極限化するような政治的、社会的要請に沿ったシナリオだけに目を奪われることのないようにしていかねばならないのである。
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by karl.helmut | 2007-06-16 23:09 | Others | Comments(0)